白鳳・鳳雲斎 周藤寛洲

小学校入学の前から始まった、祖母の指導による「習字」のおけいこから数えて、すでに60数年近くになろうとしているが、その間には、渋々と机の前に坐った少年の日もあり、書からは遠い分野に興味が移った青春期もあった。しかし、そうした時代も含めて、これまでの生涯を振り返ってみると、実は意識の底においてこの世界への関心を次第に高め、結局は色々な師に知遇を得て「書」と「思想」との命題にかかわって来てしまったというのが、これまでの人生ではなかったかと思われます。もとより、いまだ道なかば。さらに歩を進めたい。